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連載コラム【四条大宮の人】

#05
イタリアンバル Treotto(トレオット) 三浦崇さん
人との「縁」がつながる街

「四条大宮の人」第5回目のインタビューは、現在四条大宮エリアで3店舗、計4店の飲食店を営んでおられる3BacksJapan合同会社の代表 三浦崇さんにお話を伺いました。

四条大宮との出会い

――独立して最初のお店「イタリアンバル Treotto(トレオット)」を、10年前に四条大宮で始められたのですね

前職でイタリア料理店に勤務していました。自分自身の裁量でもっと色々なことが試してみたいと思い、独立を決心しました。実家が阪急沿線だったので何となく阪急の駅近がいいなと思いつつ、店の候補地を探していたところ、四条大宮にたまたま空きテナントを見つけました。立地条件が良いのはもちろん、飲食店の前に不動産業に携わっていた自分の勘も「◎」と告げていました。また、お向かいに餃子の王将1号店があり「この場所からスタートして、あんなに大きくなられたんだ!」という活力がもらえるという理由もあって、こちらに決めました。

――四条大宮商店街振興組合に入られたきっかけは?

「四条大宮ワンデーパーク※」への出店がきっかけです。組合の方から「出てみませんか?」と誘っていただきました。周辺の飲食店さんも、皆さん出店されていました。そのお祭りが加盟したきっかけですね。

※四条大宮ワンデーパーク:毎年祇園祭の宵々山に合わせて四条大宮駅前ロータリーで行われるイベント

――開業した頃のエピソードはありますか?

開業準備の際、200キロ以上あるピザ窯を2階の店まで運ぶのが大変でした。直火で焼くピザがやっぱり美味しいと、こだわって選んだガス式のピザ窯です。階段を使うしか方法がないのでスタッフと2人で30分ほどかけ、やっとの思いで運び上げたことを覚えています。
開店すると間もなく、近隣の飲食店オーナーさん含め四条大宮界隈のお店の常連の方々がご来店くださいました。こちらから挨拶に伺ったわけでもないのに歓迎していただき、「ありがたいなぁ」と思いました。オープン当初は、来られた方の顔やお名前がわからなかったのですが、お客さんから「あの方は●●のオーナーさんですよ」などと教えていただいたり、休みの日に誘っていただいたりして知り合いも増え、四条大宮に馴染んでいくことができました。

人との「縁」で、今がある

――イタリア料理のほかにラーメン店やピアノバーなどを経営されているんですね

両方とも「ご縁」から始まったんです。まず「らぁ麺 櫻井」ですが、あの場所は元々「まん太郎」というお蕎麦屋さんで、よく食べに行っていたこともあって顔馴染みになり、仲良くさせていただいていたんです。ご年配のオーナーさんだったのですが、ある日「三浦さん。この店、やってくれへんかな?」と冗談みたいに言われまして、あまり本気にはしてなかったのですが、その後「この前の話、もうちょっと詳しくさせてくれる?」と電話があり、「本気やったんか!」と(笑)。で、結局「二代目萬太郎」として引き継いだのですが、その後業態を変えて、今はラーメン屋として営業しています。ピアノバー(シンシアズ ピアノ&パブ)も、トレオットのお隣で30数年ジャズバーをされていたオーナーさんから「引き継いでくれへん?」と言われて始めました。2店共、向こうからお声がかからなかったら、してなかったでしょうね。

――今のお話を聞くまでは、多角経営を目指しておられるという印象でした

最初はイタリアンの店をどんどん展開したいなという気持ちがありました。ですが、お話をいただいて「私を信用してくれた、買ってもらった」という気持ちと、この四条大宮で続けてこられたことを失いたくないという思いが合わさったといいますか……。ジャズバーとかピアノバーなどは自分にとって馴染みがなかったのですが、元々お隣の店でピアノを習っていたスタッフの力もあり、継続できています。スタッフと言えば、私が「ラーメン店始めたいなぁ」と思っていた頃、偶然3年ぶりくらいに昔の常連さんに連絡をとったら「ラーメン屋になりたいと思ってて、今の仕事辞めようと思ってます」と聞いて驚き、採用したのが「らぁ麺 櫻井」の店長なんです。タイミングというか、つながりというか、人の縁がなかったら今の業態はなかったでしょうね。

――お店の他に、Pizzaアカデミーというピザスクールもされているのですね

あるとき、就労支援センターの方からやってみませんかと打診がありました。申し込みがあれば開催するという不定期開催ですが、継続しています。受講される方は、職業体験みたいな感じから本気で独立開業を考えておられる方までさまざまです。スクール受講者の中から何名か、飲食店を開業されておられます。あと、スクールではないですが、開業の相談を受けることも多いです。性分なのか、考え出すと楽しくなって、ついつい色んなアドバイスをしてしまいます。

人が温かい街・四条大宮

――四条大宮でお店を出されて10年、変化は感じておられますか?

いい意味で「変わらない」街だなと思います。ただ、インバウンドのお客さんが増えたという印象はあります。10年前には、ほとんど来店されることはなかったのではないでしょうか。今は3割ほどがインバウンドのお客様、という日もありますね。当店は元々留学生から社員になったスタッフもおりますので、接客に不安がなく助かっています。他のお客様は近所にお住まいの方や近隣でお仕事をされている方がほとんどで、飲食店をされている方々も休みの日に飲みに行かれるのは「四条大宮」周辺だそうです。私自身もこの界隈で飲むのが好きで(笑)。もう10年いますが、行ってみたくてまだ行けてない店があります。

――四条大宮の魅力って、何だと思われますか?

昔ながらの下町情緒と人情味があることだと思います。地元に根付いた個性的な飲食店が多く、お店の人とお客さんが一体となって楽しめる雰囲気がいいですね。あとは、長い歴史のあるお店の皆さんが、新しく入ったお店(人)を温かく歓迎してくださるところも魅力です。組合の会合などでも気さくに声をかけていただけますし、お客さんとして店に来てくださったり、本当に良くしてもらっています。そういう土地柄が、たくさんの人を惹きつけるのかなと感じています。

――今後四条大宮でやってみたいことはありますか?

地域活性案として、四条大宮駅前ロータリーで屋台村ができたらな、と考えています。博多みたいな屋台村で四条大宮を盛り上げたいです。キッチンカーなら、出店条件をクリアできるのではと考え、今年中に一台制作してみようと構想中です。事例として組合の皆さんにも見ていただきたき、いずれ屋台村が実現できたら嬉しいです。

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